薬物による歯の中からの変色(内因性の変色)
黄色い変色
たくさんの歯が連続して一様に黄ばんでいる… このような変色は内因性(歯髄の血管を通した原因)のものと考えられます。小さい頃に高熱を出してテトラサイクリン系の抗生剤を長期間服用した場合に、ちょうど永久歯の形成時期ですと歯が変色します。軽度のものは、紅茶やコーヒーなどの外因性の変着色と見た目に区別がつきませんが、テトラサイクリン着色歯は、光を当てると蛍光を発するので、判別がつきます。外因性のものに比べて効果は出にくいですが、ホワイトニングで歯は確実に白くなります。方法は、外因性の変着色と同様です。
歯がヨコ縞状に黄ばみや黒ずみとなる原因と治療
たくさんの歯がヨコ縞状に連続して黄ばみあるいは黒ずんでいる(黒ずみの程度は、薄い茶色から暗い青色まで)… このような変着色は内因性(歯髄の血管を通した原因)のものです。たとえば、大人の歯ができるときに薬物(抗生剤のテトラサイクリンなど)を長期間服用した場合に、歯にこのような着色が生じます。色が濃い(暗青色)場合には、ホワイトニングでは期待するほどの効果が得られない可能性があります。
ホームホワイトニングを続け、満足な結果が得られない場合は、歯の表面を薄く削ってセラミックでカバーする処置(ポーセレンラミネートベニア)がひとつの選択肢になるでしょう。高濃度のフッ素の摂取や遺伝的原因でも、歯が白濁したり、透明な部分(エナメル質)が正常に形成されないケースがあります。このような場合も、審美的改善は、歯の修復処置によるのが適切です。このような場合の修復方法には、ポーセレンラミネートベニアのほか、コンポジットレジン修復、セラミッククラウンによる修復などがあります。
医療ジャーナリスト・秋元秀俊さんのコメント
周囲の人の目が気になって、口を開けて笑ったことなんか一度もないという方がおられました。思春期に笑い顔が怖いというような言葉だったか、友達の心ない一言で深く傷ついてしまったというお話でした。
ホワイトニングは保険でできない治療なので、あまり良くないことだと誤解されている方がいるようですが、ホワイトニングは医師の処方に従えば、比較的安全で害の少ない処置です。
テトラサイクリンによる歯の変色は、明らかな薬害で、医師が幼児期のテトラサイクリン投与に際して、十分に事前説明をしてこなかった問題も無視できません。薬害の補償ですから、本来は公費によって賄われるべきものです。薬害に対する認識が不十分であるために放置されている問題です。「外見を気にするのはぜいたく」という意見も一部にはありますが、微笑みが人間関係に与える影響をもっと重く考える必要があるでしょう。悩んでいる方は、ホワイトニングを試してみることをお勧めします。